かつて街があった廃墟に降りた宇宙船から、1人の研究者が大きなドリルを片手に地面を掘り返す。
崩れかけた石造りの建築物にエントリーしたところ、青銅製の像が無数に配置されている広間を発見した。
(どの像の表情もシワが深く、年老いているようだ。長老たちをなのかな、あれ?)
立ち並ぶ胸像の中に、ひときわ目立つ全身の像がある。一体どういう人物なんだろう。そうだ図書館跡にあった磁気性の記憶媒体にが記録があるかもしれない。照会にかけてみよう。
(大きな功績を残した重要な人物かもしれない。いいぞぉ。)
調査員:「ヒット!」
天井が高く、空間に声が鳴り響く。遠くには沢山の椅子が見える。
コンピュータ:
・・ガガガ。100年以上にも及ぶ在任期間、長期政権・・ガガ自由・・。
彼を慕う有志たちによって、反対意見もあるなか国家予算を使わずに建立された。
(権力者がよく用いる体制の象徴的なものではなさそうだな。。)
コンピュータ:
「彼は都市のメインストリートで演説中に、一般市民の手によって暗殺され、心肺停止になった・・ガガ。
世界各国の首脳からお悔やみの言葉が続々と送られてきている。また警備員の当時の対処方法に避難が相次いだ。」
(銅像の人物は、国外の権力者にとても好かれていた。しかし一般市民は、どうして愛されていた指導者に手をかけてしまったのだろう。。)
コンピュータ:
「・・ガガガ、犯人は軍隊で自殺未遂を起こしていた過去や、家族がカルツォーネ教団と深い関わりがあったとの情報もあり、複雑な家庭状況が垣間見える。凶行に至った原因は、大統領が送ったとされる世界唯一協会のパーティーへ祝辞が発端で、引き金となっ・・ピッ、エラー!エラー!・・ガタ。」
研究者:「わっ!」
空間に声がこだまする。
(さっきから銅像たちに見られているような気分だ。銅像の下には、顔の描かれた紙の束がいたるところに落ちている。数字、おそらく貨幣かな。)
(カルツォーネ、この単語の意味を表すところは謎だ。)
(そうだ、この建物をカルツォーネ神殿と名付けよう。)
個人調査記録:歴史調査員(古物ハンター)
このカルツォーネ神殿は、この島の政治的かつ宗教的な施設ではないかと思う。スキャンデータによると、銅像はこの惑星では有名な指導者、もしくは長老的存在の功績を称えた記念碑たちのようだ。
ひときわ大きな全身像の長老は、圧倒的な地位を築いたようだが、宗教絡みの軋轢によって生まれた不満を持つ一般市民によって命を終わらせた。と見られる。分析中に破損した記憶媒体を持ち帰って修理し、詳しく調べる。
また当時の地図を回収できたので、これから刑務所施設へ向かう予定。
一般市民の詳しい情報は、当時の生活の風習を詳しく知るためにとても有用そうなので引き続き重点的に調査する。
官僚統治が発展し国を形成したが、政治と宗教の癒着が起きた。民主主義や貨幣経済という古い構造から抜け出せなかった、成長できなかったといったところだろうか。
滅びた直接の原因は、現在のところデータ不足。しかし放射線兵器だと思われる。
(像は置いていこう。ありふれた金属だし。なんか気持ち悪い。)
参照データ置き場
参考:映画「REVOLUTION+1」の感想
映画、観る機会がなかったです。